「なんか話しかけやすいよ」

坂口恭平「建設現場」の出版記念トークショー、青山ブックセンターに行ったら躁鬱病の坂口恭平はローの状態だった。ローの坂口恭平はハイのもう一人を別人として扱っているようで「あの人」と言っていた。

 

躁と鬱の2チャンネルしかないらしい。ふつうの状態がないのはしんどい人生。いまはローだが、そこまで落ちているわけではなく、呆然としている。奥さんからはそれくらいがいいんじゃないと言われている。なんか話しかけやすいよ。

 

ぼそぼそと小さな声で、頭が回っていないようで話がなかなか次に展開せず、訥々としゃべっている感じがよかった。本はみすずから出たので3600円した。他の出版社にフラれた、ミシェル・レリスの日記を編集を担当したみすずの人に送ったら出版が決まったそうだ。みすずから出せるのはすごいことである。

 

坂口恭平は話すことがないので何曲も歌っていた。あと「建設現場」の音読をした。赤いセーターの片腕の肘あたりから先がグレーに切り替わっていて可愛かった。

 

〈だから、最後に聞きます。これからはじまることを、あなたは知っていたのですか。それならば、なぜそれを止めようとしなかったのですか。なぜ、あなたはそのまま放置し、労働を続けたのですか。それは自分で理解していたのですか。それともあなたは自分自身であることを見失っていたのですか。〉

坂口恭平「建設現場」の帯文